警察犬や盲導犬、麻薬探知犬など、私達の身近なところで活躍する犬は意外と多いですが、犬の中でも特に賢い犬や知能の高い犬種というのは存在するのでしょうか。

そこで今回は、アメリカの犬の研究者であるスタンレー・コレン氏による著書より、知能が高い犬種をランキング形式でご紹介していきたいと思います。

知能が高い・賢い犬ランキング

犬の知性や心理学などの研究者で知られるスタンレー・コレン氏による、犬の知能に関する書籍「The Dogs of Dogs」が1994年に発刊され、様々な犬種の知能について書かれた本書は世界的にも有名な一冊となりました。

この書籍では犬の知能に関する様々な研究結果が掲載されており、138犬種に及ぶ知能の高さをランク付けで解説しています。

この中から、今回はランキング上位となった10犬種をご紹介していきたいと思いますが、犬の知性をどのように計測していったのでしょうか。

「賢い犬種」はどのようにランキングしたのか

犬の知能を計測する方法として試されたのが、新たに教えた指示に対して何回で指示を覚え、指示通りに行動できたかというもの。

新たな指示に対して「5回以内」で理解し、さらに一度目の指示で行動できた割合が「95％以上」であるのが、今回ご紹介する10犬種という結果です。

因みに11位～31位内では「5回～15回」で「85％以上」、最下位の犬種グループでは「80回～100回」で「25％以下」という結果であることから、ランキング上位の犬種がどれだけすごい事なのかがわかります。

では実際に、ランキングを見ていきましょう。

【10位】オーストラリアン・キャトル・ドッグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

オーストラリア原産の「オーストラリアン・キャトル・ドッグ」は牧羊犬として活躍する犬種で、オーストラリアでも長い歴史を持つ犬種としても知られます。

オーストラリアン・キャトル・ドッグは日本ではあまり馴染みのない犬種かもしれませんが、忠誠心が高く、非常に頭の良い犬種でもあります。

【9位】ロットワイラー

ドイツ原産のロットワイラーは、犬の歴史の中でも特に古い犬種であると言われる犬種です。

見た目は非常に力強く、番犬や警察犬としても適した能力を持つ犬種ですが、知能が高い犬種であることも判明しました。

見た目の頼りがいだけでなく、知能も高い犬種なので、ペットとして飼育されるのにも適した犬種と言えるでしょう。

【8位】パピヨン

本調査で唯一の小型犬からランクインした犬種が「パピヨン」です。

パピヨンは「蝶」の意味を持つその名からも、優雅な雰囲気が漂う愛玩犬というイメージも強いですが、サーカス犬やアジリティドッグとしても活躍する、非常に活発な犬種でもあります。

近年では嘱託警察犬としても採用されているなど、知能と活動力を併せ持った小型犬としても見直されています。

【7位】ラブラドール・レトリーバー

ラブラドール・レトリーバーは盲導犬として活躍するなど、私達の生活を手助けしてくれる、賢くて頼もしい犬種として多くの方に知られています。

イギリス原産のラブラドール・レトリーバーは、元々は魚を回収するために飼育されていた犬種で、水中での活動に長けた犬種でもあります。

非常に温厚で賢く、盲導犬や麻薬探知犬などの使途犬としても適している犬種です。

【6位】シェットランド・シープドッグ

小型のコリー犬として間違えられるシェットランド・シープドッグは、イギリス原産の犬種で牧羊犬として活躍してきた犬種でもあります。

一説ではボーダーコリーやラフ・コリーの血も流れていると言われるシェットランド・シープドッグは知能も高く、牧羊犬としても優秀な犬種であることから、作業犬として高い能力を発揮できる犬種と言えるでしょう。

【5位】ドーベルマン

少し強面な犬種としても知られるドイツ原産の「ドーベルマン」は、先に紹介したロットワイラーの血を引く犬種です。

警察犬や警備犬としても活躍してきたドーベルマンは一見すると怖い犬ですが、実は家庭犬として適するように繁殖されてきた犬種です。知能も高く家庭的な犬種ですので、家庭犬としても適した犬種なのです。

【4位】ゴールデン・レトリバー

日本でも人気の高い大型犬、ゴールデン・レトリバーはイギリス原産の犬種で、性格も穏やかで賢く、ペットとしても適した犬種で知られます。

運動量も多いので作業犬としても優秀ですが、ダンスを踊ったり、様々な芸を覚えたりと、知能の高さも際立つ犬種です。

【3位】ジャーマン・シェパード

堂々の3位に輝いたのは、警察犬のイメージも強いジャーマン・シェパードです。

ドイツ原産のジャーマン・シェパードは、警察犬の他にも警備犬やアジリティ、軍用犬など多岐にわたる活躍を見せている犬種で、知能も高く運動能力も高いので、様々な仕事をこなすことができる犬種でもあるでしょう。

近年では災害救助犬や麻薬探知犬としても活躍しており、知能の高さや訓練能力の高さを生かした活躍の場が広がっていっています。

【2位】プードル

数多くの犬種の中でも賢い犬というイメージが強い「プードル」は、サーカス犬としても活躍するなど、昔から知能が高い犬種として知られてきました。

日本ではトイ・プードルの人気が高いですが、本調査はアメリカで行われていた調査であることから、恐らくトイ・プードルではなくスタンダード・プードルであると思われます。

日本では知能の高さよりも、その見た目の可愛らしさで人気の高いプードルですが、実は知能が高く賢い犬種でもあるのです。

【1位】ボーダーコリー

多くの犬種の中から知能ランキング1位という誇らしい成績を収めているボーダーコリーですが、アジリティドッグでも多く利用されるなど、運動量においても高い能力を持つ優秀な犬種です。

イギリス原産のボーダーコリーは、作業犬としても優秀な犬種ですが、性格も温厚で知能が高い犬種なので家庭犬としても飼育しやすいと言えるでしょう。

また、今回の研究結果に関わらず、全犬種の中でも特に知能の高い犬種として名前が上がるのがボーダーコリーです。プードルに関しても知能の高さが際立つ犬種ですが、ボーダーコリーの知能の高さは誰しもが認めるところでもあります。

全てのボーダーコリーが頭がよい？

おバカなボーダーコリーもいれば、ハチ公のような秋田犬もいるように、あくまでも頭の良さ・知能の高さは個々の特徴であることを理解しておきましょう。

犬種による知能の違いはあれど、人間と同じく頭の善し悪しは個体差によるところも大きく、ボーダーコリーであれば必ず頭がよいというわけではないのです。

また、犬種それぞれに得意な分野も違いますので、一概に知能が高いからといって能力の高い犬種であるかと言えば、また違った話になってきます。結局は飼い主さんが、どれだけ愛犬の能力を引き出せるかという点も大きくなってくるでしょう。

まとめ

今回は知能が高い犬種のランキングをご紹介してきましたが、ランキングに入らなかった犬種であっても優秀な犬種はたくさん存在します。

ボーダーコリーは確かに知能も高く優秀な犬種ですが、頭の良さと飼育のしやすさはイコールではありません。

あくまでも犬の知能を引き出してあげるのも飼い主さんの役割ですので、愛犬の特徴をよく理解し、愛情を持って育ててあげてくださいね。