犬の食糞飲尿の原因と正しく辞めさせる対策法
公開日 2020.07.30 更新日 2024.11.18犬が自分のうんちやおしっこを食べたり飲んだりしてしまう姿を見ると病気かな?ストレスではないのか、と感じる人が多いと思います。実際にウンチを食べてしまっても犬の身体に大きな影響はありません。
犬がおしっこやウンチを食べたり飲んだりしてしまうこの行動を一般的に「異嗜癖」と言い、ウンチを食べることを「食糞」、おしっこを飲んだり舐めてしまうことを「飲尿」と言います。ここでは、この「食糞」や「飲尿」の原因を探り対策法を考えていきましょう。
犬がウンチを食べてしまう理由
犬がウンチを食べてしまう理由は大きく分けて6つあります。
・飼い主の注意を引くため
・お腹が空いている
・ドッグフードが合わない
・栄養が不足している
・ストレス
・病気
食糞を止めさせるには原因をまずしっかりと知ることが大切です。
飼い主の注意を引くため
食糞をすることで飼い主が必要以上に自分に対して構ってくれたり、大声をあげたりすることで「自分が食糞をすることで喜んでくれている」と勘違いしているかもしれません。
【対策】
「無視」をしましょう。
食糞を喜んで行っているときは、飼い主がかまってくれるのを知っているから食糞をしています。
食糞をしている場面を見ても、犬の身体に大きな影響はないので「無視」をすることが一番です。
お腹が空いている
ドッグフードの量が少なかった時や、ごはん前のお腹が空いてしまったときに自分の便からドッグフードの匂いがかすかに漂って美味しそうに思えて食べてしまっている可能性があります。
【対策】
時間があれば1日に与える食事の回数を増やして下さい。
体重などに問題がなければ1日の給餌量を増やしてみても良いかもしれません。
仕事などで家にいる時間がない方は、自動給餌器なども市販で売っているので試してみるのもおすすめです。
ドッグフードが合わない
ドッグフードを変えたばかりのときに食糞が多くなったときはドッグフードが体に合っていなく、お腹満たしに食糞をしている可能性があります。
また、同じドッグフードをずっと与えているとそのドッグフードの味に飽きてしまったことにより新しい味を求めて食糞をすることがあります。
【対策】
ドッグフードを変えた場合は以前のドッグフードに一度戻し食糞が治るか確かめてみましょう。
どうしてもドッグフードを今のものに戻したい場合は、少しずつ前回のドッグフードに混ぜて与えると良いでしょう。
味に飽きてしまっている場合は他のドッグフードを混ぜたり、犬用のふりかけを用意したり、チーズのかけらをドッグフードに混ぜるなど工夫をしてみましょう。
栄養が不足している
子犬なのに成犬用のドッグフードを与えていたり、老犬なのに成犬用のドッグフードを与えていたりはしていませんか?
栄養が不足してしまうことで食糞からその栄養を補おうとしている可能性があります。
また、食物アレルギーに反応して消化不良を起こしていたり、ビタミンが不足して食糞で補っているということも考えられます。
【対策】
まずは、犬種や年齢に合ったフードを与えているか確認しましょう。
食物アレルギーを起こしているかどうかは動物病院などで検査してもらうこともできますし、獣医に適切なフードについて相談することもできます。
ストレス
犬がストレスを感じているかもしれません。
ストレスを感じることで無意識に食糞をしてしまうことがあります。
【対策】
ストレスの発散のために食糞を行っている場合はストレスを発散させる目的を変えましょう。
例えば、散歩の時間を長くして疲れさせる、ドッグランに連れていき他の犬との交流を増やす、おもちゃを知育玩具などに変更しおもちゃで遊ぶ時間を増やすなど食糞に対するストレスの目的を他の目的に変更してあげるようにしましょう。
病気
具合が悪く、エネルギーや栄養を補うために食糞をしている可能性があります。
消化器系に異常がある場合は食べものから栄養を吸収することができなくなるため食糞を起こしやすいです。
寄生虫が体内にいた場合も、寄生虫に栄養が奪われてしまうためその栄養を補うために食糞を行います。
また老犬の場合認知症が進み、自分がウンチを食べていることすら気づいていない場合があります。
【対策】
消化器系や寄生虫などが原因で食糞を起こしている場合はすぐに動物病院に連れていき獣医師の指示に従いましょう。
老犬で認知症が進行しているときの食糞に関しては、サプリメントを使用したり、ウンチに直接ビターアップルなどの犬が嫌がるスプレーをかけて食べ物ではないよと根気強く教えてあげることが大切です。
犬がおしっこを舐めてしまう理由
犬がおしっこを飲む行為ですが食糞よりは少なく、時間が経つにつれ自然と治るケースも多いです。
犬がおしっこを舐めてしまう場合以下のことが考えられます。
・飼い主の注意を引くため
・喉が渇いている
・母犬の真似をする
・栄養が不足している
・病気
食糞に似たような理由が多いですが、おしっこは細菌などを含んでいることもありますので止めさせる方向で準備を進めていきましょう
飼い主の注意を引くため
食糞同様飼い主が飲尿することで大声を出したり、ケージから出してくれたりと構ってくれることによって嬉しくて同じ行動を繰り返す頃があります。
【対策】
無視をしたり、無関心な態度をとるようにしましょう。
またケージ内でおしっこをする回数が多い時はトイレシーツを全面に敷きすぐに吸収するようにして飲尿をさせないようにしましょう。
喉が渇いている
水に飽きてしまったときや、水飲み場が近くにない時など自分のおしっこを飲む行為に走ってしまうことがあります。
おしっこにはたんぱく質や糖が含まれていることがあり、美味しいと感じてそれが継続的な飲尿つながってしまうことがあります。
【対策】
水飲み場を増やし、水にサプリメントなどを加えて味を変えてみましょう。
また夏場は夏バテになりやすく飲尿で栄養を補おうとします。
夏は水の温度も低くなりやすく夏バテに繋がりますので、新鮮な水をいつでも用意できるようにしてあげる良いです。
母犬の真似をする
母犬が飲尿する姿を見て飲尿が悪いことではないと考え飲尿をしてしまうケースがあります。
【対策】
おしっこに興味を持っていることが多いので、他の飲み物のほうがおいしいと興味をおしっこから逸らすと良いでしょう。
栄養が不足している
おしっこにはたんぱく質や糖が含まれているので、栄養を補うために飲尿してしまっている可能性があります。
【対策】
ドリンクにサプリメントを含ませてみましょう。
ただの水ではなくドリンクに入れるタイプのサプリメントを入れて与えてみましょう。
おしっこよりおいしいと感じてくれれば飲尿をすることはなくなります。
病気
飲尿をする原因として、「糖尿病」や「尿結石」を患っている可能性があります。
今まで飲尿をしたことがなかったのに突然飲尿をし始めたり、通常の水をいつもより多く飲むような姿が見られたら、病気のサインかもしれません。
【対策】
動物病院で尿検査をしてもらいましょう。
尿検査で異常がない場合は健康診断を受け身体全体を検査してもらうことも考えましょう。
食糞飲尿を克服させよう!
食糞や飲尿は病気が原因でない場合以外は治すことができます。
また時間が経つにつれ自然と治ることもあります。
まずは、犬がどんな状況のときに食糞や飲尿をするのかを把握し、原因を探りましょう。
原因がわかればそれに対して対応をしていくことで徐々にその行動が治ります。
食糞や飲尿は体には大きな影響はないものの、その姿を見るのは何とも耐え難いことです。
原因を知り、愛犬に合った改善方法で食糞や飲尿を克服させましょう。