犬の穴掘り行動はストレスが原因?穴掘りする理由と対策を解説
公開日 2020.11.13 更新日 2024.11.18愛犬が家の中で、穴掘り行動をしている様子を見たことはないでしょうか。意外と多くの犬が取る「穴掘り」の行動ですが、実はポジティブな反応である場合と、ネガティブな反応である場合があります。中にはストレスが原因となっているけーすもありますので、愛犬の様子や状態を把握しておくことが大切になってきます。そこで今回は犬の穴掘り行動と、その理由について解説していきたいと思います。
犬の穴掘り行動は異常な行動?
愛犬におやつを与えたときや、愛犬がお気に入りのものを咥えたときに、野生に返ったように穴掘り行動をしたことがないでしょうか。
不思議に思える犬の穴掘り行動ですが、犬はもともと穴掘りをする習性がある動物ですので、穴掘り行動をしても不思議ではありません。
ペットとして飼育される事が多い現代の犬は、外で土を掘るといった習性が薄れているように感じてしまいますが、意外なことに現代の犬でもしっかりと穴掘り行動の習性は残っています。
ただし、中には精神的な理由で穴掘り行動をしていたりと、本能的な部分とは違ったところで穴掘り行動を起こしているケースもあります。
愛犬の年齢や状況によっては、穴掘り行動にも色々なメッセージが含まれている場合がありますので、まずは犬の穴掘り行動の理由について理解していきましょう。
犬が穴掘り行動をする理由とは?
犬が穴掘り行動をするのにはいくつかの理由がありますが、中でも最もポジティブな反応が、遊んで興奮している時や、土を掘って楽しんでいる時など、「遊び」の延長線上にある穴掘り行動です。
自宅内で遊んでいる際や興奮した時に、床やソファで穴掘り行動をしていることはないでしょうか。
主に穴掘りを得意としてきたテリア系統の犬種や、普段からアクティブな性格の犬が遊びで穴掘りをすることは多いですが、「穴掘り遊び」というポジティブな反応で本能的に穴掘り行動をとってしまうこともあります。
寝床のセッティングをしている
ベッドを掘ってみたり、ソファで穴掘り行動をとってみたりと、普段から愛犬の寝床としても利用している場所での穴掘り行動は、寝床をセッティングしている行動です。
野生下であれば土を掘って巣穴を作り、その中で寝るところですが、巣穴で眠る習慣が無いのにも関わらず、犬が持つ習性で穴掘り行動をとってしまいます。
ブランケットなどに対しても穴掘り行動をとって、結局はぐちゃぐちゃのまま寝てしまう事がほとんどですが、本能的に穴掘り行動をしていたり、寝床をベストな状態にセッティングしているだけなので、特に心配する必要はありません。
穴掘り行動で飼い主さんにアピール
飼い主さんは愛犬が穴掘り行動をした際、どのように声をかけているでしょうか。
例えば、あまり真剣ではない様子で「ダメ!」と言ってみたり、「やめてー」等の声をかけていないでしょうか。
犬としてはあまり真剣に怒られていないため、飼い主さんの気を引くために穴掘り行動を起こしている場合があります。もしかすると、怒られているという意識すら持ってはいないかもしれません。
「穴掘りをすると飼い主さんが気が付いてくれる」と勘違いをおこしていますので、愛犬の勘違いを正していかなければなりません。
対策としては、しっかりとダメなことだと愛犬に理解させるか、もしくは穴掘り行動を起こしても飼い主さんが過度に反応しないようにすることです。
ネガティブな穴掘り行動の理由とは
犬の穴掘り行動の中でも、場合によってはネガティブな影響で穴掘り行動を起こしている場合もあります。
具体的に注意しておきたいのが、犬の認知症が原因で穴掘り行動をしている場合や、犬の体調が優れない場合の穴掘り行動、もしくはストレスによって引き起こされる穴掘り行動です。
中でもストレスによる穴掘り行動は、比較的多くの犬にも見られる理由のひとつです。
寂しさや退屈を紛らわすための穴掘り
飼い主さんの留守が多かったり、引っ越したばかり等の理由で愛犬が落ち着かない状態が続いてはいないでしょうか。また、散歩に連れて行っていなかったり、愛犬にストレスになるような事に思い当たることは無いでしょうか。
犬が極端に退屈しているときや、極端に不安に感じている時には穴掘り行動をして落ち着かない気持ちを忘れようとします。
あまりストレスのかかる状態が続くと、健康にも悪影響が見られるようになりますので、愛犬がストレスや不安を抱えている原因を追求し、ストレスのかからないような生活を送れるように工夫してみましょう。
場合によっては動物病院で検査を
認知症といった病気が原因になっている場合、必要以上に穴掘り行動を行ったり、明らかに様子や雰囲気がおかしかったりします。
同じ場所をぐるぐると回り続けたり、ずっと同じような行動をしているようであれば、一度、動物病院で検査をしてみたほうが良いかもしれません。
犬によって痴呆症状の現われ方も違いますが、いつもと様子が違うなと感じた場合は、愛犬の様子を注意深く確認しておくようにしましょう。
犬の穴掘り行動は止めさせるべき?
犬の穴掘り行動は習性による部分が多いので、上記で挙げたような問題行動ではない場合、そこまで心配する必要はありません。
しかしながら、自宅内のあちこちで穴掘り行動をされてしまっては、家が傷ついてしまいます。物を壊すのはダメなことだという認識を持たせなければ、穴掘り行動を起こすたびに家具や家が傷ついていくことでしょう。
ソファの上や畳部屋、フローリング、カーペットなど、愛犬の好みによっても被害に合う箇所は違いますが、どこでも穴掘りできるを勘違いさせてはいけません。
犬の穴掘り行動は理由があって行動を起こしていますが、自宅内で習慣化することは良いことではありませんので、悪影響が及ぶようであれば穴掘り行動を止めさせるようにしましょう。
犬の穴掘り行動を止めさせる方法
愛犬の穴掘り行動を止めさせるには、愛犬の「好み」を見極めることが大切です。好みというのは、愛犬が穴掘りしたがる素材や、飼い主さんが大切にしている物です。
穴掘り行動の対象になりやすいのが畳やソファです。ある程度の弾力があって「穴掘り」しごたえのある場所は、犬の穴掘り行動の的になりやすい場所です。また、飼い主さんも畳やソファを掘られると、愛犬に声をかける事が多いと思います。
この場合は、上にカーペットや敷物を敷いて、愛犬の好みとなる場所の足元の感触を忘れさせましょう。さらに、非常に大切になるのが飼い主さんのしつけの仕方です。
愛犬が迷う程度に怒るのではなく、しっかりと威厳を持って「ダメ」と短く、わかりやすく怒るようにしましょう。
甘く見られるような怒り方をすると、逆に気を引きたいがために「ダメなのかな?」とわかっていつつも穴掘り行動をしてきます。愛嬌があってかわいいのですが、しっかりと叱って良い事・悪い事をはっきりさせなければなりません。
まとめ
今回は犬の穴掘り行動について解説してきましたが、該当するような理由があったでしょうか。
犬の穴掘り行動は、犬が本来持っている習性ですので、特に何か心配するということはありません。とはいえ、説明してきた通り犬の感情が高ぶっている時に穴掘り行動が見られますので、飼い主さんが愛犬の状態を把握しておくことが大切です。
絶対にやめさせたほうが良い行動ではありませんので、愛犬の様子を確認しつつ、穴掘りをしても大丈夫そうな場所で思い切り穴掘りをさせてあげると、愛犬の気分もスッキリするかもしれません。