歯周病にならない方法とは?犬の歯磨きと口腔ケア対策!
公開日 2020.06.25 更新日 2024.11.18普段から愛犬の口腔ケアを行っているでしょうか。3歳以上の成犬であれば約8割もの犬が歯周病を抱えているという衝撃的な調査結果もあることから、もはや犬にとって歯磨きは必要不可欠なケアと言えるでしょう。そこで今回は、犬の歯磨きや口腔ケアの方法、歯磨き対策について解説していきたいと思います。
犬の歯磨きは必要?
人間にも歯磨きが必要なように、犬も歯磨きは必要です。
犬の食事は犬用のおやつかドッグフードがメインとなりますが、これらの食事のカスが「歯周ポケット」に溜まってしまいます。
犬は人間のように「虫歯」になるケースは少ないのですが、この歯周ポケットに溜まった食物のカスが「歯垢」や「歯石」となり、やがては「歯周病」を引き起こしていきます。
虫歯は口腔内が弱酸性であれば引き起こされやすいのですが、犬の口腔内は弱アルカリ性であるため、犬にとっては虫歯の心配よりも歯周病が最も深刻なものとなるのです。
犬の歯磨きはいつから始めたら良い?
犬の歯磨きはいつ始めたら良いのか、歯磨きをスタートさせるタイミングで迷われる方が多いですが、上記の通り、犬の歯周病は食物のカスが溜まることで引き起こされます。
そのため、犬の歯磨きは固形物を食べ始めた頃から始めるのが、最も理想的と言えるでしょう。
ただし、犬の歯磨きにも注意点やポイントがありますので、まずはその点について解説していきたいと思います。
犬の歯磨きを行う方法
犬の歯磨きといっても、突然歯ブラシを口に突っ込まれてしまっては、犬も歯磨きに対して恐怖心を抱いてしまいますので、少しずつステップを踏んで歯磨きを行うようにしましょう。
犬の歯磨きを成功させる方法を、下記の6段階に分けてみました。愛犬がどのステップまで対応できるかを試してみましょう。
なお、ステップ1の段階をクリア出来なくても焦る必要はありません。急いでトラウマを抱かせるよりも、時間をかけて徐々に慣れさせるのが重要なので、まずは1ステップずつクリアできるよう、毎日繰り返していきましょう。
【ステップ1】口元を触ってみる
まず基本となるのが、愛犬が嫌がらずに口元を触らせるかどうかです。
だいたいの犬はクリアできると思いますが、口元すらも嫌がる犬は、褒めながら少しずつ口元を普通に触らせるように慣れさせていきましょう。
口元を重点的に触れるのではなく、顔全体を触れさせる事に慣れさせると、歯磨きだけではなく、目やにや耳掃除も出来るようになります。
【ステップ2】口の中を触ってみる
愛犬が口元を触られることに慣れてきたら、次は口の中を触らせることに慣れさせましょう。
最初は何をされるのかわからないので嫌がる犬も多いですが、褒めつつ上手にごまかしながら口の中に触れるようにしましょう。
【ステップ3】指で歯や歯茎を触ってみる
今度は口を開けさせるだけでなく「歯」や「歯茎」に触れることに慣れさせます。
いきなり歯ブラシではなく、飼い主さんの「手」であることが非常に重要で、歯磨きをする上で最も重要なポイントとなるのが、このステップ3となります。
【ステップ4】ガーゼを指に巻いて歯に触れてみる
歯を触らせることに慣れれば、今度は飼い主さんの指にガーゼを巻いて、歯を触れるようにしましょう。
いきなり異物を口の中に突っ込まれては、犬も嫌なイメージしかなくなってしまいます。
ガーゼを巻いていても違和感を感じさせないように、ここまで順を追って慣れさせてきています。慣れている飼い主さんの手の感触があることで、愛犬も安心して触らせるわけです。
【ステップ5】ガーゼに「歯磨き液」を染み込ませましょう
指にガーゼを巻いても嫌がらなくなったら、今度はガーゼに歯磨き液や歯磨き粉など、ペット用の歯磨き液を染み込ませ、歯磨きをしてみましょう。
不味い味ではないはずですが、味のあるものが口の中に広がるため、始めは嫌がるかもしれません。無理に歯磨き液を付けず、ガーゼだけで十分に慣れさせてからが理想です。
【ステップ6】歯ブラシを利用してみましょう
最終ステップとなるのが、歯ブラシを利用した歯磨きです。
とはいえ、初めから歯ブラシを使うのはNGです。まずは歯ブラシが怖いものではない事を認識させるため、臭いを嗅がせてみたり、軽く当ててみたりしてみましょう。
この段階まで来ていれば、口の中に入れられてもそこまで嫌がりはしないはずですが、徐々に慣れさせていくのが理想です。
歯ブラシを使うことで奥の方まで磨くことが出来ますが、ゴシゴシ力を入れると歯のエナメル質を傷つけてしまいますので、軽く当てる感じで歯磨きしてあげましょう。
「歯磨きガム」は歯周病対策になる?
「歯磨きガム」に代表される、歯磨き効果を兼ねたおやつを毎日与えているので、歯磨きをしなくても大丈夫と安心している飼い主さんは要注意。
確かに、歯磨きガムを与えることは少なからず歯磨き効果が得られるので、全く与えないよりかは効果が期待できます。しかし、歯磨きガムの「与え方」によっても効果は違ってきます。
というのも、どうしてもおやつを食べる際には噛み慣れた噛み方で食べることが多く、場合によっては片側でしか噛じらない場合もあります。これでは満遍なく歯磨きを行えているわけではありません。
歯磨きガムはプラスαとして考えるようにし、メインの歯磨きはやはり飼い主さんが直接行うのが、最も効果的な方法です。
歯磨きガムの最適な与え方
歯磨きガムを与える際には、そのまますぐに与えるのではなく、しばらくは手に持ったまま噛じらせるのがポイントになります。
なかなかおやつを手放してくれないことで、色々な角度でおやつを噛じろうと工夫します。そのまま与えてしまうと、自分の噛み慣れた歯で食べてしまうため、満遍なくブラッシング効果を与えることができません。
手に持って食べにくくすることで色々な歯を使って噛もうとしますので、いつもは噛まない歯で歯磨きガムを噛もうとします。こうすることで、バランス良くブラッシング効果を与えることができるわけです。
「おもちゃ」も歯磨き対策におすすめ
歯磨きガムでも歯のブラッシング効果を与えることが出来ますが、普段からおもちゃで遊ぶ犬であれば、歯磨き用にもう一つおもちゃを用意してあげましょう。
また、スプレータイプの歯磨きペーストも用意しておくと、より効果的です。
おもちゃはロープトイなどが理想的ですが、おもちゃに直接歯磨きペーストを吹き付けておき、遊ばせてみましょう。歯磨きガムと同様に、おもちゃを噛むことで歯のブラッシング効果を与えることができます。
衛生的に保つため、遊んだあとは洗うようにしましょう。
歯周病のチェック方法
すでに愛犬が歯周病になっているかどうか、てっとり早くチェックする方法としては、犬の口腔内の臭いをチェックしてみることです。
歯垢や歯石の状態がひどくなければ、口の臭いはほぼしません。また、歯垢や歯石が付着していると、歯も濁った色になります。
歯茎から出血をしていたり、顔が腫れてきている場合は要注意。すぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
奥歯の辺りが腫れるケースが多いですが、愛犬の食欲がなくなっていたり、元気の喪失が認められる場合は悪化している可能性が高いため、すぐに対処する必要があります。
まとめ
犬の歯磨きが重要であることはご説明してきたとおりですが、歯周病にならないためには、定期的に動物病院でチェックしてもらうことも大切です。
口の臭いや歯の色(歯石)でも歯周病の状態を予測できますが、飼い主さんが毎日、愛犬の口腔内チェックを行う癖をつける事が大切です。
歯周病は最悪の場合、死にも繋がる恐ろしいものですので、愛犬の健康な歯を守るため、すぐに犬の歯磨き対策を行っていきましょう!