愛犬とのコミュニケーションに最適な犬のマッサージ方法と注意点
公開日 2020.11.26 更新日 2024.11.18日頃から愛犬の体に触れる機会はあるでしょうか。愛犬にとって飼い主と触れ合う機会は、心身ともにリラックス効果のある重要な時間です。マッサージを行うことで、愛犬の体の異常にも気がつくことができますし、病気にもいち早く気がつくことが出来るのでおすすめです。愛犬とのコミュニケーションと健康維持を兼ねたマッサージをぜひ取り入れてみましょう。
そこで今回は、犬のマッサージのやり方や注意点、部位ごとのマッサージ方法について解説していきたいと思います。
犬のマッサージを行う意味とは?
犬の健康維持にも役立てられるマッサージは、愛犬が飼い主とコミュニケーションを取ることのできる貴重な時間でもあります。
幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」というホルモンは、愛犬と見つめ合うことで飼い主さんと愛犬の双方にオキシトシンの分泌量が増加するという研究結果もあり、愛犬の健康維持にも欠かせない要素となっています。
愛犬と見つめ合い、体をほぐしてあげることで心身共にリラックスさせる事ができるマッサージは、毎日の生活にぜひ取り入れておきたいコミュニケーションのひとつです。
犬のマッサージはいつからはじめるべき?
犬のマッサージは老犬になってから始めるよりも、幼少期から行っていた方がより効果の期待できるものです。早いうちから体に触れられる事に慣れさせ、マッサージは気持ちの良いものだと理解させていくことが大切です。
老犬になると耳が遠くなったり、目が見えなくなったりと、歳を重ねるにつれて徐々に色々な部位が弱くなっていきます。
老犬になってからでは遅いという事ではありませんが、マッサージを習慣化させることで、目や耳が不自由になっても「いつもの」マッサージで驚かすことなく、安心感を与えることができるのです。
また、マッサージを行う際は老犬になった頃を想定して、犬のマッサージを行う時に「マッサージを始めるよ」のサインを作っておくと良いでしょう。
では具体的に、犬のマッサージ方法について見ていきましょう。
血流を促す犬の全身マッサージのやり方
まずは全身の軽いマッサージから行います。全身のマッサージでは、犬の頭からお尻に向かって、背骨を伝うように優しくなでていきましょう。
撫でる際には手のひらで撫でる方法や、指を立てて撫でていく方法があります。どちらの方法でも問題ありませんが、全身のマッサージでは血流を促す効果を与えますので、いずれか犬がリラックスしている方法を試してみましょう。
全身のマッサージを行う際の注意点
全身マッサージは素早く撫でるのではなく、数秒をかけてゆっくりと撫でていきましょう。また、力は入れずに毛並みに沿って優しく撫でていきます。
あまりに早く撫でると犬も落ち着かず、マッサージの効果が得られませんので、ゆっくりと飼い主さんも共にリラックスしながら撫でることを心がけましょう。
犬の首周りのマッサージ方法
犬の首周りは人間の肩と同様に、意外と凝りやすい箇所になりますので、しっかりとマッサージを行いましょう。
犬の首周りをマッサージする時は両手を使って揺らしながら、首周りから背骨を伝って背中まで流してあげるイメージで行います。首の筋肉をほぐすイメージで、やさしく揺らしながら揉んであげましょう。
また、犬の肩甲骨から手先までのマッサージも忘れずに行いましょう。肩甲骨のあたりから円を描くように指でマッサージを行います。手のひらでも指でもかまいませんので、ゆっくりと時間をかけ、軽い力で揉みながらマッサージを行いましょう。
犬の顔周りのマッサージ方法
全身マッサージを行った後は、部位ごとのマッサージを行っていきましょう。
部位ごとのマッサージに順番はありませんが、顔の周りに触れられるのが嫌な犬の場合は、集中力が切れる前に顔周りのマッサージから始めた方が良いかもしれません。
あくまでも血行を促す目的やリラックス効果を与える目的なので、無理矢理にマッサージを行う必要はありません。できる範囲で、愛犬がリラックスしている中でマッサージを行っていきましょう。
目・鼻のマッサージ方法
犬の鼻をマッサージする時は犬の後ろ側にまわり、鼻先から頭の後ろまで目を挟んで2本の指で撫でていきます。
両方の親指を鼻先の上に、人差し指は鼻先の下側にあてます。そのまま鼻先から後頭部へと指を撫でるように移動させますが、目の周りを撫でていくようなイメージで、ゆっくりとマッサージしていきましょう。
親指の位置は変わりませんが、人差し指は目の下を通って頭上あたりで親指の元に移動させるイメージです。
初めは不思議そうな顔をしますが、慣れてくると気持ちよさそうな顔をするようになるので、高いリラックス効果が期待できるマッサージです。
耳のマッサージ方法
犬の耳もマッサージを行うべき箇所で、他の箇所と同様に血行を促す目的で優しくマッサージを行います。
耳のマッサージは力を入れず、耳の根本から耳先へと血行が行き渡るよう、耳を指で挟みながら耳先へとスライドさせます。この動作を耳の全体に行います。
犬の肉球マッサージのやり方
犬の体にはたくさんの「ツボ」が存在しますが、犬の肉球にもツボは存在し、リラックス効果を与えるツボや、体の弱っている部分に良い効果を与えるツボなど、いくつかの種類があります。
しかし、犬は肉球に触れられたり足を掴まれたりすることを嫌います。慣れていけば問題はありませんが、リラックスした状態で肉球ケアを行うためには慣れが必要になりますので、地道に慣れさせていきましょう。
肉球には小さな肉球、大きな肉球がありますが、小さな肉球は軽くつまむような形で力を入れずに揉んであげましょう。続いて大きな肉球は、上に軽く押し上げるようにマッサージを行います。
肉球マッサージと一緒に肉球のケアも
肉球は犬の部位の中でも常に使用する部位ですので、定期的に肉球のケアを行うことで、不用意な怪我などを防ぐことができます。
特に真夏のアスファルトや、雪の上を歩く機会がある地域の犬は肉球も荒れがちです。いくら肉球が固くなっているとはいえ、ケアを行うのと行わないのとでは、肉球の機能にも違いが出てきます。
市販されている肉球クリームを使用して、肉球マッサージと共に肉球ケアを行ってみましょう。保護クリームを塗り込むことで、健康的な肉球が復活しますのでおすすめです。
犬のマッサージの注意点とは
犬が怪我をしていたり、どこか痛い部位がある場合は、触らせてくれなかったり唸って警戒する行動を取ります。この場合は無理にマッサージを行わず、愛犬の様子を確認するようにしましょう。
犬は痛いところがあっても、なかなか弱みを見せようとしません。気の弱い犬であれば痛い箇所があれば「キャン」と鳴いて痛みを知らせますが、弱みを見せない犬は触れさせないように怒りで誤魔化そうとしてきます。
歩く時に不自然な様子はないでしょうか、食欲や排泄はいつも通りでしょうか。もしくは寝てばかりいたり、動くことが辛いような様子はないでしょうか。
こうした様子が見られる場合、すぐに動物病院に連れて行き検査を行うようにしましょう。
食後や運動後は避けましょう
犬のマッサージは犬が完全にリラックスしている状態で行いましょう。
特に食後や運動後は犬も興奮状態にあり、リラックスさせることが難しかったりもします。また、興奮している時は悪気がなくとも攻撃的な態度をとってしまうこともあるため、マッサージを行うのに適したタイミングではありません。
愛犬の気持ちを落ち着かせ、リラックスできる準備が整ってからマッサージを行うようにしましょう。
まとめ
今回は犬のマッサージ方法や注意点について解説してきました。愛犬とのマッサージの時間は、貴重なコミュニケーションの時間でもあります。毎日でもよいので、時間を割いてマッサージしてあげるようにしましょう。
毎日は難しいという場合は、全身マッサージなど、愛犬を撫でるタイミングでも可能なマッサージがありますので、ぜひ取り入れてみてください。
飼い主さんに触れられることで、愛犬のストレスも大きく軽減されますので、少しのタイミングでも行ってみてはいかがでしょうか。