犬のしつけとご褒美の関係とは?今すぐ実践したい効果的な方法について
公開日 2020.08.25 更新日 2025.01.28はじめて犬を飼う方にとって「しつけ」は最初の難関となりますが、ご褒美を効果的に利用することでスムーズにしつけられるようになります。しかし、ご褒美の使い方によっては愛犬を混乱させてしまうこともあります。そこで今回は、犬のご褒美を使ったしつけの効果的な方法について解説していきたいと思います。
犬のしつけにご褒美は必須
褒めるしつけ、叱るしつけ、犬の性格によって最適なしつけの仕方は違います。褒めて伸びるタイプか、それとも叱って伸びるタイプなのかを把握することができれば、より早くしつけを覚えさせることができます。
しかし、愛犬が仔犬の頃はまだまだ性格も見えておらず、どんな性格に育っていくのか判断するのは難しいところ。そこで登場するのが「ご褒美」です。
ご褒美の与えすぎには注意
犬は食べ物に対しての執着が強いので、ご褒美として「おやつ」等の食べ物を利用することで、より効果的にしつけを覚えさせることが可能となります。
ただし、ご褒美だからといっておやつを闇雲に与えていたのでは、ご褒美としての効果を得られなくなるばかりか、愛犬の肥満にも関係してきますので、ご褒美の与えすぎには注意しなければなりません。
基本的に、ご褒美として与えるおやつは1つだけにしましょう。何個もおやつを与える必要はありません。また、できるだけ低カロリーなおやつを選ぶようにします。
ご褒美は「直後」に与えるのが効果的な方法
ご褒美を使ってしつけをしているのに、なかなか愛犬がしつけを覚えてくれないという場合は、飼い主さんに問題があるケースが多かったりもします。
愛犬にご褒美を与える最も適したタイミングは、しつけが成功した「直後」です。
ダラダラとご褒美を与えていたのでは「なぜご褒美が貰えたのか」と、愛犬も意味がわからずにご褒美を貰っているだけになります。ですので、「こうするとご褒美が貰える」と認識させることが大切なのです。
「成功=ご褒美」というパターンを理解させることで、しつけも飛躍的に理解していくようになります。
ご褒美を使った「おすわり」のしつけ方
「これからしつけを開始する」という時は、愛犬も成功が何なのか、ご褒美はどうしたら貰えるのかという事を理解していません。ですので、まずは1ステップずつ進んでいくようにしましょう。
例として「おすわり」をしつける時の、ご褒美を与える効果的な方法を見ていきましょう。
ステップ1:「まだ=ご褒美」を理解させる
最初のステップでは、「まだ」という号令を認識させることを目指しましょう。犬との距離・目線は適度に近いほうが良いので、しゃがんで行うようにします。
まずは飼い主さんの目線と愛犬の目線の間にご褒美を持ち、「まだ」と号令をかけます。始めはバタバタと動くはずですので、愛犬を押さえても構いません。最初は目線の間にご褒美があると認識させることが大切になります。
ポイントは何度も「まだ」と連呼せず、きっちりと一言で締める事です。何度か言う場合は、一定の間隔を開けるようにしましょう。
そして、愛犬のテンションが少し落ち着いたと思ったタイミングでご褒美を一つだけ与え、加えて思い切り褒めてあげるようにしましょう。
このステップでは完璧に仕上げる必要はなく、「何かすると、食べ物も貰えて褒めてくれる」と認識させることが大事です。何度か繰り返し、「まだ=ご褒美」と理解させていきましょう。
ステップ2:「おすわり=ご褒美」を理解させる
次のステップでは、「まだ」の後に少しだけタイミングを空けて「おすわり」と一言発してみましょう。この時、愛犬のお尻を押し込んで座らせるようにします。そのまま座ることが出来れば、すぐにご褒美を与えます。
もし押し込んでも座らなければ、今度はご褒美を愛犬の顔に近づけ、上を見上げさせるようにして頭上にご褒美を持っていきます。犬の顔が上を向くと自然と腰を下ろすようになりますので、お尻が床に付いたタイミングでご褒美を与えましょう。
何度かやるとコツがわかりますが、ご褒美を頭上に持ってくる方法が、最も簡単な方法となります。何度か繰り返していくと、「おすわり=ご褒美」の条件反射ができあがってくるでしょう。
ポイントは座ったタイミングですぐにご褒美を与える事と、飼い主さんが褒めちぎることが、効果的にしつけを覚えさせる方法となります。また、何度も連呼しない事も重要なポイントです。
ご褒美を「卒業」する効果的な方法
ある程度までしつけが完成してきたら、ご褒美を与える頻度を減らしていくようにしましょう。例えば3回程度「おすわり」を指示し、3回とも成功しているようであれば、もうそろそろご褒美を卒業してもよいタイミングです。
ご褒美はおやつではなく、飼い主さんが褒めるだけにしていきましょう。はじめは「おやつはどこ?」とねだってくるかと思いますが、そこは心を鬼にして無視するようにしましょう。
ここで愛犬に負けてご褒美を与えてしまうと、「ねだったら貰える」と理解してしまいます。こうなってしまうと、「成功=ご褒美」という理解が崩れてしまい、だらだらとご褒美を与えてしまう事と同じになってしまいます。
褒める時は思い切り褒めてあげましょう
ご褒美は「たまにもらえるレアなもの」と認識を変えさせる事が大切で、おすわりしたら貰える「かもしれない」と理解を変えていく事が、最終的なしつけのゴールとなります。
いつまでもご褒美に頼っていては、必要のない場面で愛犬がご褒美をねだるためにおすわりをしてみたり、催促してきたりします。徐々に認識を変えていかなければ、逆に愛犬が可愛そうな目にあいます。
そうならないためにも、ご褒美だけでなく思い切り褒めてあげる事も大切になるのです。褒める時は言葉や表情を使い、大げさなくらい犬を喜ばせてあげ、犬の気分を盛り上げることが重要です。
「ご褒美=おすわり」ではなく、「成功=ご褒美」という認識に変えていくことが次なるステップになります。
ご褒美は「おやつ」だけが効果的?
犬に与えるご褒美は、おやつだけが効果的な方法というわけではありません。
遊ぶことが大好きな犬であれば、好みの「おもちゃ」をご褒美に使うこともできますし、「外で遊ぶ」ことをご褒美とすることもできます。適度にご褒美の対象を変え、飽きさせない事も大切です。
愛犬のしつけを行っていくうえで、徐々に愛犬の「性格」や「ツボ」が見えてくるようになりますので、より愛犬が興味の湧きそうなものをご褒美に利用すると良いでしょう。
とはいえ、やはり最終的には飼い主さんが「褒めてくれる」ことが、愛犬にとって最大のご褒美となるのが理想的です。日頃からスキンシップを欠かさないようにし、十分にコミュニケーションを取るようにしましょう。
まとめ
犬へのご褒美と、ご褒美をより効果的に利用する方法について解説してきました。ご褒美の与え方によってしつけの入り具合も大きく変わってくるので、より効果的な方法でご褒美を利用して、効率の良いしつけを行っていくようにしましょう。
最も利用しやすいご褒美は食べ物ですが、説明してきたとおり、やはり最大のご褒美はご主人さまから褒められることになれるよう、ご褒美だけではなく愛犬とのコミュニケーションも大切にしていきましょう。