意外と油断のできない犬の嘔吐!吐いてしまう原因や対処法について
公開日 2020.07.28 更新日 2024.11.17犬が「嘔吐」する事は比較的多く、特に心配する必要のない場合がほとんどです。しかし、中には病気による初期症状や、急激に状態が悪化したため嘔吐してしまう事もあります。そこで今回は、意外と油断のできない犬が嘔吐する原因や、嘔吐した時の対処法について解説していきたいと思います。
犬は健康でも嘔吐する?
まずはじめに知っておきたいのが、犬の嘔吐は人間が嘔吐する場合とは少し異なるということです。
人間であればかなり具合が悪くなった時に嘔吐の症状がみられますが、犬は健康であっても、ちょっとしたことで嘔吐する場合があります。
もちろん、体調不良や病気による症状から嘔吐することはありますが、空腹すぎる場合や水をがぶ飲みしてしまった場合に嘔吐してしまうなど、極端に心配しなくても良い嘔吐の場合もあるのです。
愛犬が嘔吐してしまうと飼い主さんも心配してしまうかと思いますが、まずは冷静になって愛犬の行動を確認するようにしましょう。
車酔いでも嘔吐します
若年の犬に多いですが、犬によっては車酔いをして嘔吐してしまう場合もあります。車に慣れている犬であれば車酔いすることもありませんが、まだ車に慣れていない若年の犬は、どうしても車酔いしてしまうのです。
この場合、少し休ませれば特に問題はありません。付近を散歩するなど、少し気分をリフレッシュさせてあげましょう。またすぐに嘔吐してしまう可能性もあるため、水は少し控えるようにし、湿らせる程度の量を与えてください。
成犬になっても「車=酔う」というイメージが付くと、いつまでも車酔いしてしまう事もあります。「車=楽しい所に行ける」というイメージに変えるため、まずは短い距離から慣れさせていき、徐々に距離を伸ばすようにしましょう。
極端に心配する必要のない嘔吐の原因は?
愛犬が嘔吐してしまった場合、まず確認しておきたいのが嘔吐した吐物と愛犬の行動です。
嘔吐する前に水を飲んでいた場合は、がぶ飲みしすぎて嘔吐してしまった可能性があります。また、ご飯を食べた後であれば、一気に食べすぎたことで嘔吐しているだけなので心配はありません。
上記に近いものでは、散歩中に草を食べすぎた場合や、おやつを与えた後に嘔吐している場合です。これらのケースも一気に食べすぎたことで嘔吐しているだけなので、その後は何もなかったかのように動いていることでしょう。
黄色の泡立った液体を嘔吐している場合は?
嘔吐した吐物に何も混ざっておらず、泡だった液体や黄色い液体を嘔吐する場合があります。
このケースは犬が空腹だったため、胃の中で逆流が起きて嘔吐してしまった胆汁嘔吐症候群と呼ばれる症状が引き起こされています。吐物に含まれる黄色の液体は犬の「胆汁」で、胆汁が逆流して嘔吐してしまっているわけです。
対処法としては空腹を解消させることです。日頃から同じような時間に繰り返す場合は、ごはんのタイミングが合っていないのかもしれません。空腹にさせないよう、時間を変えるなどの対策をすぐに取りましょう。
嘔吐は意外と犬に多い症状なので極端に心配する必要はありませんが、毎日繰り返しているのは、あまり良い状態とは言えません。この場合は念の為、動物病院で検査を受けることをおすすめします。
危険な食べ物と嘔吐の症状
犬が食べてはいけない物を食べてしまった場合にも、嘔吐の症状が見られます。また、合わせて下痢の症状等も見られるケースが多いです。
犬が食べてはいけない物として、家庭内にある代表的なものではチョコレートやネギ類の野菜、アボカドなどが挙げられ、ユリ科の観葉植物なども中毒症状を引き起こします。
これらを誤飲してしまっている場合は、すぐに動物病院に連れていくようにしましょう。
自己判断での処置は危険です
犬が嘔吐してしまう要因がわからなければ、部屋の中を観察し、犬が食べてはいけない物を食べてしまった形跡がないかを確認し、食べた形跡があればすぐに動物病院へ向かいましょう。
摂取量によっては重篤になる場合もあるので、油断はできません。誤飲の場合は処置が早いほど良いですので、「何を食べたか」「食べてからどれくらい経過しているか」など必要な情報もしっかりと把握し、すぐに検査を受けましょう。
状態によっては悪化を招きますので動物病院まで急ぐ必要がありますが、動物病院まで時間がかかるようであれば動物病院から指示を仰ぐなどし、自己判断での処置は絶対に行わないようにしましょう。
病気が原因で嘔吐している場合
ここまでは犬の嘔吐で起きやすい事象について解説してきましたが、嘔吐が収まらず、下痢や発熱、苦しそうにしているなど、明らかに体調不良の様子が見られれば、動物病院で診察することをおすすめします。
この場合、何かしらの病気が疑われますが、状態が悪い場合の吐物は臭いが強かったり、色がどす黒いといったように、吐物からも異常を確認することができるでしょう。
また、嘔吐した時はまだ「様子見で大丈夫かな」と感じられた場合でも、急に状態が悪化するケースもあります。嘔吐した原因が突き止められなければ、やはり万が一を考えて、愛犬の様子を用心深く観察しておくことをおすすめします。
嘔吐だけでは判断できません
翌日になっても犬の嘔吐が収まらないようであれば、何かしらの異常が起きている可能性が高いので、動物病院で診察を受けるようにしましょう。
病気による症状で嘔吐というのは、様々な病気に該当する初期症状です。そのため、嘔吐だけで何の病気なのかを飼い主さんが判断するのは難しいです。
最初に解説してきたような「特に害のない嘔吐」であれば、吐いた後は逆にスッキリした様子さえ見られます。一方、緊急を要する場合の犬の嘔吐は、下痢を伴う場合や明らかに元気が消失している場合です。
それでも飼い主さんで判断が難しいと感じられる場合は、動物病院で診察を受けたほうが安心かもしれません。
犬が嘔吐した時の対処法
犬が嘔吐してしまった場合、少し様子を見て休ませてあげるというのが基本になります。具合が悪くなさそうでも、やはり嘔吐したばかりは胃の状態も正常ではなくなっています。
胃を休ませるという意味でも、半日程度はすぐに食べ物や水を与えず、様子を見るようにしましょう。夏場などは水分補給も必要になるので、口を湿らせる程度に水を与えるのは問題ありません。
半日様子を見てみて、特に異常が感じられなければ水を少量ずつ与え始めましょう。
胃を休ませ、嘔吐させないための対処法を
さらに数時間置いて、特に変わった様子がなければごはんを与えても問題はありませんが、通常の量の半分程度から与え始め、時間を置いてからもう半分を与えるようにすると安心です。
こうした間にも嘔吐しているようであれば、念の為に診察を受けてみても良いでしょう。
嘔吐し続けてしまうと脱水症状を引き起こしてしまいますので、まずは嘔吐させないような対処が必要になります。可能なかぎり胃の中を空にし、胃を休ませる事で正常に戻すのが大事なのです。
まとめ
犬の嘔吐する原因と対処法について解説してきましたが、犬の嘔吐が連日続くというのは、あまり良いことではありません。
解説してきたとおり、犬の嘔吐の多くは特に問題のない場合が多いのですが、あまり連続して嘔吐するということはありません。様子を確認し、あまり状態が上向かないようであれば、動物病院で検査を受けたほうが回復は早いです。
犬の嘔吐は症状も軽い場合が多いため判断も軽く見てしまいがちですが、万が一という事も考え、気を抜かずに愛犬の様子を確認するようにしましょう。