犬のお風呂嫌いは克服できる?自宅でできるお風呂対策をご紹介
公開日 2020.07.20 更新日 2024.11.18トリミングサロンに出しているときは大人しかったのに、自宅でお風呂に入れると大暴れ。愛犬をお風呂に入れるのに苦戦する飼い主さんは多いです。
無理せずサロンにお任せするという方法もありますが、飼い主さんもお風呂に入れられるようになれれば、何かあった時にも気軽にお手入れができるようになるメリットもあります。
そこで今回は、お風呂嫌いの犬をお風呂好きに克服させる方法や、自宅でお風呂に入れる際のポイントや対策について解説していきたいと思います。
犬のお風呂嫌いは克服できる?
犬によっても性格は異なりますので個体差はありますが、すでにお風呂嫌いになっている愛犬を、お風呂が好きな犬に変えることはできます。ただし、少しずつお風呂嫌いを克服させるため、時間をかけることが大切になります。
まず、初めて自宅でお風呂に入れた時を思い出してみましょう。厳しく押さえつけたり、いきなりシャワーを浴びせてみたり、嫌がっているのにシャンプーをした覚えはないでしょうか。
押さえつけられたり嫌がっているのに、無理矢理にお風呂に入れていたのでは、愛犬もお風呂がトラウマになっても仕方がないかもしれません。
「お風呂は気持ちが良い」というイメージを
まず取り掛かりたいのが、お風呂は気持ちが良い時間と認識させることです。さらに、飼い主さんを独占できる楽しい時間と認識させられれば、愛犬もお風呂が好きになってくれるでしょう。
そして、意外かもしれませんが飼い主さん自身も、愛犬とのお風呂時間を楽しめるようになれる事が大切です。
犬は人の気持ちに対して敏感な動物です。飼い主さんが必死になってしまっては、愛犬も「只事ではない!」という気持ちでお風呂に臨んでしまいます。
飼い主さんの緊張は愛犬にも伝わってしまうので、飼い主さんも可能なかぎりリラックスした状態でお風呂に入れられるようにしましょう。
手際よくお風呂に入れるための対策も
犬の集中力は個体差があるものの、おおよそ5分~15分程度と言われています。
犬も嫌な時間が長く続いてしまうと、それだけでお風呂が嫌いになってしまいます。あまりにじっくりとシャンプーしていたり、丁寧にしすぎても犬の集中力が切れてしまうため、じっとしていることができなくなります。
そのため、犬のお風呂はできるだけ早く終わらせる必要がありますが、焦ってバタバタとお風呂に入れるよりも、まずは飼い主さん自身もシャンプーすることに慣れていくことを意識しましょう。
犬の集中力が切れるまでに手早く
愛犬がお風呂を嫌がるのは、飼い主さんもお風呂に入れるのに苦戦してしまっていることが原因としてあげられます。犬がお風呂に慣れる事も、飼い主さんがお風呂に入れることも、同時に慣れていく必要があります。
まずは軽い水浴び程度で慣らせていき、シャワーだけでどれだけ時間がかかるかを把握しておくと、シャンプーを含めた工程の所要時間を予想することができます。
また、愛犬もシャワーが苦手だったり、シャンプーが苦手だったりと、お風呂時間の中で特に苦手とする工程があるはずです。その工程を見極められるようにし、練習を重ねていくと上手くいくかもしれません。
では具体的に、犬のお風呂嫌いを克服するための対策についてご紹介していきます。
犬のお風呂嫌い対策① シャワーの温度管理
犬のお風呂嫌いを克服するための対策で、始めに気をつけておきたいのが「シャワーの温度調節」です。
シャワーの出始めは暑かったり冷たすぎる場合もあるため、まずは温度が安定したのを確認するようにしましょう。最適な温度はおおよそ37度前後ですが、夏場は35度前後でもよいでしょう。
また、夏場はお風呂場の温度にも注意してください。悪戦苦闘しながら長時間お風呂にこもっていると、熱中症を引き起こしてしまう可能性もあります。適度に空気を入れ替え、極端な温度上昇を回避するようにしましょう。
肉球から水の温度を確認させましょう
シャワーの温度が安定したのを確認できたら、まずは地面伝いにシャワーの温度を確認させるようにし、徐々に足元を濡らしていくようなイメージでシャワーを当てていきましょう。
犬の肉球は神経も多く通っていますが、肉球の大半は脂肪で構成されており、急激な温度変化にはやや鈍いです。真夏のアスファルトを歩かせ、知らずしらずのうちに火傷をしてしまっているのは、この鈍さのせいです。
肉球で温度に慣れさせるまで、少しの間はシャワーの暖かな温度を感じさせるようにしましょう。
犬のお風呂嫌い対策② シャワー音
愛犬をお風呂に入れる際に、シャワーを直接かけるのはNGです。前項で挙げた温度調節ももちろんですが、緊張している状態で突然シャワーを当ててしまうと、犬も驚いてしまうためです。
また、犬は視覚の他にもご存知の通り、聴覚や嗅覚にも優れています。特にお風呂では聴覚が敏感になっていますので、シャワーの音ですら恐ろしい音に聞こえてしまっています。
温度調節をしている間は、シャワーの音にも慣れさせている時間と考えておきましょう。
シャワーの音から意識を逸らしてあげましょう
少しでもリラックスできるよう、飼い主さんがこまめに声をかけてあげるのも効果的です。積極的に声がけし、愛犬の意識を飼い主さんに向けてあげることでも、愛犬のお風呂嫌いを克服するきっかけにすることができます。
また、どうしてもシャワーの音が苦手なようなら、シャワーヘッドに薄手のタオルをまき、シャワー音を出さないようにする方法もあります。
その際にはシャワーヘッドを直接身体に当てるかたちとなるため、お湯が当たる感覚やシャワーヘッドを当てられる感覚に慣れさせる必要があります。
犬のお風呂嫌い対策③ 身体の濡らし方
シャワーの温度管理を行い足元からシャワーを当てていった後は、いよいよ身体を濡らす工程に進みます。
基本の流れとしては最後に水に濡らすのは顔(頭部)で、始めは足元からお尻、身体といったように進んでいくようにしましょう。
身体を濡らす工程まで進めたら、シャンプーすることも難しくはありませんが、どうしてもお風呂が嫌い!という犬はいきなりシャンプーせず、まずは水浴び程度の軽いお風呂から出直してみる事も大切です。
耳や顔は特に注意深く
立ち耳の犬、垂れ耳の犬と色々な種類がいますが、耳付近を洗い流すときは耳の中に水が入らないよう、耳を下に畳んで流すようにしましょう。
また、顔付近を濡らす時にはシャワーで直接当てず、手のひらでシャワーの勢いを落としつつ流すようにします。慣れない場合はスポンジやタオルを使い、洗い流してあげる方法もあります。
犬にとって顔周りを現れるときが一番緊張する時間となるため、できるだけ素早く洗い流してあげられるようにします。
まとめ
お風呂嫌いな犬のためのお風呂対策について解説してきましたが、犬と同じく飼い主さんもお風呂を入れることに慣れることが、意外と重要だったりもします。まずは二人三脚の気持ちで、愛犬とのお風呂を楽しめるようになりましょう。
なお、頻繁にお風呂に入れすぎると、かえって皮膚が荒れてしまったり汚れやすくなってしまいますので、犬のお風呂は月に1回、多くても月に2回程度にしましょう。
一回でも「楽しいかも」と思ってもらえれば、愛犬もすぐにお風呂に慣れてくれますので、地道に練習を重ねて慣れさせていくようにしましょう。