犬も熱中症になるって知ってる?夏の暑さ対策4選
公開日 2020.07.15 更新日 2024.11.18夏になると避けて通れないのは熱中症対策。気を付けているのにも関わらず毎年多くのペットが熱中症にかかっています。「うちは対策をしているから大丈夫・・」と思わずに毎年1度は対策を見直し、愛犬が熱中症にならないように気を付けましょう。
犬が熱中症になるとどうなる?
では、愛犬が熱中症になったらすぐに見分けがつくのか。具体的なシチュエーションから症状まで詳しく解説します。
熱中症になるシチュエーション
・炎天下での散歩
・屋外での運動
・屋外での係留(特に日向)
・室内での留守番
・車内での留守番
屋外では常に日光を気にするため対策を取り、気を付けている方も多いでしょう。
この中でも特に気を付けなければならないのは『室内』での熱中症発症リスクです。
例えばエアコンを入れていたとしても時間が経ち日差しの位置が変わる事で、ケージの温度が上昇してしまうケースもあります。
また、車内はエアコンを入れ続ける事によりバッテリーが上がってしまう可能性もありますし、少し窓を開けたくらいでは十分な換気機能は無いため車内への置き去りは絶対にやめましょう。
熱中症の症状
熱中症の進行は早いため、下記のような症状が出始めたら病院に連れていく事を検討しましょう。
・食欲の減退
・荒い呼吸や、心拍が早い
・大量のヨダレ
・元気がなく、ぐったりするor落ち着きをなくす
※重篤化すると・・
痙攣、嘔吐、下痢、意識不明、発作などが起こります。もちろんこうなる前に気づいてあげたいところですが、万が一の事も考え重篤化症状に該当する場合は、すぐに病院に連れていきましょう。
熱中症になりやすい犬種や年齢
熱中症リスクが高い犬種は寒冷地方が原産の犬種(シベリアンハスキーやサモエド)が挙げられます。寒い地方に耐えるように毛が厚くなっている分、温度管理はより一層気を配らないといけません。また、パグ、ブルドッグ、シーズー、ボストンテリアなどの短頭犬種はパンティングによる体温調整が難しいため、他犬種に比べて熱中症にかかりやすいと言われています。
また、犬種を問わず幼い場合や高齢の場合をはじめ、持病(糖尿病や心臓病など)がある場合も熱中症にはかかりやすいため細心の注意を払いましょう。
熱中症になる前にできること|温度・湿度編
さて、熱中症対策の中でも大前提に整えておくべき事は温度や湿度管理ですね。この管理を疎かにしないようにしましょう。
窓を開けて適度に換気
窓を閉め切ってしまうと熱気は室内に籠ってしまうものです。本来換気とは2時間に1回、5~10分行う事が理想ですが、仕事などがあるとそうもいかないでしょう。それでも朝に1回、帰宅後に1回はするようにしましょう。
直射日光を避ける
外での直射日光はもちろん室内でも気を付けなければいけません。それは、時間経過によって日が入る位置が変わるという事です。普段見落としがちな部分なので日中家にいる事があればチェックしておくと良いでしょう。
エアコンをつける
犬の最適な温度は25度前後が理想とされています。つまり、年間を通して大きく差が出るような時期では常にエアコンをつけておく必要があります。
除湿器をつける
犬に最適な湿度は55%前後とされています。梅雨の時期などは湿度も高くなりやすいため、必要に応じて除湿器を導入していきましょう。
熱中症になる前にできること|食事編
環境が整ったら食事にも気を配っていきましょう。食事関連でできる熱中症対策は以下の通りです。
水分補給
犬は汗腺が足裏の肉球部分にしか無いため、汗をかく事による体温調節はできません。代わりにパンティングを行い、唾液の水分を蒸発させ体温調節をしているのです。そのため熱い夏は特に水分を必要とします。
ただの水はもちろん、ハイポトニック飲料を用いる事で更に吸収も良くなります。
ウェットフード
また、水分は飲料だけでは無く食事から与える事ができます。
普段与えているドライフードに加え、多くの水分が含まれたウェットフードを足してあげる事で効率よく水分を補給することができます。しかし、長時間放置は良くないため決めている食事時間を過ぎたら片づけるようにしましょう。
熱中症になる前にできること|散歩編
外での対策を講じている人は多いと思いますが、見落としはありませんか?初めて見る対策があれば是非取り入れて下さいね。
散歩は炎天下の時間をさける
ただでさえ真夏は熱いですが、直射日光とは別に地面からの照り返しにも注意を払わないといけません。地面とより密接なのは愛犬ですから、極力夏の時期の散歩は日が昇る前や、日が落ちた後の夕方を選んで散歩をしてあげましょう。
水を携帯する
散歩の時は常に新しい水を持ち歩くようにしましょう。また、良質な水分補給を行うために一度に多量を摂取するのではなく、複数回に分けて少量ずつ摂取しましょう。
アスファルトは注意
先述した照り返しに加え、真夏のアスファルトは非常に高温です。肉球が火傷してしまわないように靴かカバーソックスを履かせてあげるようにしましょう。
老犬は抱っこして散歩
老犬になると体温調節は更に難しくなります。パンティングをする事でも身体に大きな負荷がかかりますので、極力そういったシチュエーションを作り出さないようにする事が大切です。もし、夏に散歩をする場合は適度に抱っこをし、負担を減らしてあげましょう。
熱中症になる前にできること|グッズ編
また、最近では様々なグッズの開発が進んでいます。グッズを取り入れる事により手軽に体温調節ができますので見かけたら是非手に取ってみて下さいね。
扇風機
人間にとって扇風機は涼しく感じるものですが、汗をかかない犬からするとただの風にすぎません。扇風機を直接当てるのではなくエアコンの冷気を循環させるというイメージで使用していきましょう。
ペット用アルミプレート
散歩で暑い外から帰ってきた時に、愛犬がどこか涼しいところは無いかと探している事があります。そこで使えるのが放熱性に富んだアルミプレートです。
クールベッド
アルミプレートである程度ヒンヤリしてきたらクールベッドに移動するでしょう。顎が乗せられるデザインが多く、そこでぐっすり眠ってしまう事も。
氷水入り湯たんぽ
こちらを使用する場合は金属製のものを利用しましょう。ペットボトルでも用意はできますが、噛みついて破損させたり誤飲してしまう事もあります。
熱中症対策ばっちりで夏を迎えよう
もし熱中症の症状を感じたら、まずは涼しいところに場所を移し水分補給をさせましょう。応急処置として冷たいタオルや保冷剤があれば身体に当ててあげるとより良いですね。処置をしても体調が回復しない、下痢や嘔吐が続くのであればすぐに動物病院に連れていきましょう。
また、症状が治まり病院に連れて行かなかったとしてもかかりつけの動物病院に一度相談をしておきましょう。万が一遅れて症状が出てしまった時にパニックにならないためにも、予め「こういった症状がありました」と獣医に伝えておくことにより、適切な処置やアドバイスをしてもらえる事でしょう。
大切な愛犬が真夏でも安全に過ごせるように気に掛ける事ができるのは他ならぬ飼い主です。常に気にかけてあげる事は室温を25度前後に保つことを始め、こまめで小量ずつの水分補給をしっかりと行っていきましょう。
真夏でも仕事に行ってしまえば室内を調節してあげる事はできません。ご紹介した冷却グッズも忘れずに用意をし、熱中症対策に万全を期しましょう。